【追悼 阪神淡路大震災によせて】

映画『ありがとう』感想文
 
「わしは見たんや。あの燃える火の中で。
 
 3つの顔を。
 
 
 呆然となって動かんようになってしまった人の顔、
 
 自分のことしか考えない人の顔、
 
 ただただ人のために動く顔、
 
 
 どれも人間や。自然の顔や!」
 
 
 
「わしら、生かしてもろてんねん。
 
 生かしてくれた人に感謝せな。
 
 文句言うたらあかん」
 
 

「人生後ろ向いたら終いや、前向いて行こうや、
 
 ちびったりあがいたりしたらあかん。

  
 楽しむんや肩の力抜いて、
 
 お前と俺とで奇跡を起こそう!!」 
 
 
 
「苦しなったら顔あげて、
 
 奥歯折れるまでかみしめて、笑うんやで」
 
 
 
「おおきにありがとう!!」
 
 
 
以上は、

 
映画『ありがとう』の中で
 
私の心に残っているセリフ。
 
 
この映画は実話。
 
1995年1月17日午前5時46分、
 
突然、
 
震度6の激しい揺れが神戸一帯を襲った。

 
神戸市高取商店街のカメラ屋店主、
古市忠夫氏は寝室で寝ていた。

 
そこに大地震。
 
古市氏は、妻・千賀代と二人の娘を非難させ、
自分は災害救助にあたる。
 
 
やがて火の手があがり、
生き埋めになった人々を次々に呑み込んでいった。
 
 
古市氏の家も
 
全てが焼き尽くされ跡形も残ってはいなかった。
 
友も、家も、財産も失った。
 
 
だが、

地元消防団のボランティア活動をしていた

古市氏は街の復興に奔走する。

  
そんなある日、
 
車のトランクを開けると、
 
無傷のままのゴルフバッグが横たわっていた。

  
古市氏は衝撃に突き動かされたかのように、
 
ゴルフのプロテストに挑戦することを決意する。
 
 
50代を過ぎてからの挑戦。
 
 
体力的なハンディキャップ。
 
お金は震災でなくなった。
 
 
幾多の試練。
 
しかし、
 
還暦を目前にして
  
古市氏は、
 
プロテストに合格するという
快挙をやってのける。
 
映画は震災で崩壊した街の復興と、
 
古市氏自身のプロテストへの挑戦、
 
それを陰で支える夫婦愛を物語の軸にした、
 
観た人に勇気と希望をあたえる感動の実話。
 
 
主演の古市忠夫役に赤井英和、
 
陰で支える妻・千賀代役に田中好子、
 
プロテストで主人公を支える
キャディ役に薬師丸ひろ子など、
 
豪華なベテラン俳優が顔を揃える。
 
監督は『UN LOVED』で
カンヌ国際映画祭批評家週間に招待され、
 
レイル・ドール賞と
エキュメニック賞を受賞した万田邦敏。
 
特撮もリアルで、
あの時をまざまざと思い出させてくれた。
 
 
そして、

無骨さと優しさがにじみ出ていた赤井英和。
 
彼の、
この映画に賭けている
情熱と思い入れが、ひしひしと伝わってきた。
 
 
また、
 
妻役の田中好子は
 
関西人だったかと思わせるような
 
流暢な関西弁を猛特訓で習得している。
 
 
好きなことを仕事にしようと
決意した夫を支える妻の葛藤を好演していた。
 
 
その他、
 
エッと思うような関西出身の
多数の俳優さんや、お笑い芸人たちが、
 
ワンシーンずつ出演しており、楽しめる。
 

この映画を観て、

 
【感謝】【希望】【夫婦】
 
【家族】【愛】【助け合い】【思いやり】
 
【勇気】【積極】【奇跡】【ビジョン実現】【いのち】
 
を改めて考えた。
 
 
そして、
 
【生きる】いや【生かされている】ことの
素晴らしさと尊さを実感した。
 

バックに流れる
河島英五さんの「生きてりゃいいさ」が、
 
リフレインして今も私の耳と心に
心地よく響いている。
  

【ありがとう】なんと、いい言葉だろう。
  
 
“ありがとう”大切なのは、
 
感謝して生きる気持ち。
 
これからも【ありがとう】を、
  
私が、死ぬまで、
ずっと使っていこうと、あらためて思った。
  
 
このレビューを読んでいるあなたを始め、
 
 
縁のある、全ての人に観てもらいたい映画だ。 
 
 
女優 田中好子さんのご冥福を心よりお祈りします。





映画『ありがとう』

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